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投資家対国家 紛争解決手続 国内法律機関等の検討

ISD条項の罠5 韓国朴チュソン議員の発行冊子全体版 
街の弁護士日記 

http://moriyama-law.cocolog-nifty.com/machiben/2013/02/post-a46a.html

こちらのサイト中の「投資家対国家紛争解決手続 法律機関の検討」(仮訳)についてご紹介したいと思います。


『強調しておくが、今後のTPP議論は、この報告書の到達点を出発点にしない限り、まやかしである。』



未だマスコミはTPPの内容についてはほとんどイメージでしか伝えてません。

しかしイメージだけで進めてはならないことは明らかです。

今後の議論の参考になればと思い、以下転載いたします。









国政監査政策報告書 3

投資家対国家 紛争解決手続
国内法律機関等の検討
(法務部、大法院、弁協等)



大韓民国国会
外交通商統一委員会
国会議員
朴チュソン

目次

投資家対国家 紛争解決手続 国内法律機関等の検討

1. [法務部、2006年]
国際投資紛争分野対応方案  ・・・・・・・・・・・・・・・

2. 投資紛争2次交渉対応方案  ・・・・・・・・・・・・・・・

3. [大法院、2007年]
韓米FTA国際投資紛争解決手続関連検討意見 ・・・・・・

4. [大韓弁協、2012年]
韓米FTA国際投資家国家間紛争解決手続(ISD)に対する意見 ・・

5. [米国、2012年]
 米国州議会議員たちがTPP交渉者である米国貿易代表部(USTR)に送る
投資家対国家紛争解決拒否要求関連の公開書簡 ・・・・・・・・・・・・  



挨拶

投資家国家間紛争解決手続(ISD)資料集出版にあたって

 韓国はもうこれ以上投資家対国家紛争解決手続(ISD)の中立地帯ではありません。 国際投資家の挑戦が始まりました。 米国系私募ファンド ローンスターは去る5月21日韓-ベルギー投資協定(BIT=二国間投資協定)に基づき、金融当局の公共政策と租税政策に対して国際仲裁を申請するとの仲裁意向書を通報しました。冷却期間6ヶ月は11月20日終了します。
公共政策に対する国内投資家の挑戦の兆しも見え始めます。 韓国電力は今年7月知識経済部の電気料金認可権限の無力化を念頭に置き、ISDが可能か国内法務法人に法的な検討を依頼しました。勝訴の可能性が低いという判断からISD手続を開始することはありませんでしたが、韓電のこのような動きはISDが外国人投資家だけでなく、国内企業によっても政府の公共政策を無力化させる手段として活用されることがあるということを、如実に見せてくれる最初の事例です。
政府のISD対応は極めて遅れています。去る5月ローンスターがISDを提起できたのは「粗末な協定」のせいです。 韓-ベルギーBITに相手国内企業でも実際に営業しない書類上の会社(ペーパーカンパニー)なら、協定に沿った恩恵を受けられないようにする「特典の否認(Denial of Benefits)」規定があったならローンスターはISDを提起できませんでした。
しかし韓-ベルギーBITにはこの条項がありません。 2012年10月現在、わが国が締結したBITまたはFTAで「特典の否認」規定は韓・チリFTAと韓・米FTAだけにあり、22のOECD加盟国と締結したすべてのBITには存在しません。 それに加えて現在の韓・米FTA、韓・チリFTA、韓・ハンガリーBITを除く残りのBITでは投資を広範囲に定義しているので、投資の不存在を理由にペーパーカンパニーに対する協定上の保護を排除することが、とても難しくなっています。このままでは韓国政府は「ISDという国際法律市場の角逐場」になることは火を見るより明らかです。
政府は今やISDの深刻性を少しずつ知り始めました。 ローンスターが提起したISDに対応するために、汎政府次元のタスクフォースが作られました。 国際通商対応に消極的だった法務部は、今や予算と組織を少しずつ拡充しています。「粗末な協定」を締結した原罪を持つ外交通商部は、韓国に対する投資実績、ペーパーカンパニーの現況、租税避難所の有無などを勘案して、投資協定の改正交渉対象国を選定するための関係部署間協議を進行中です。
もう国会が出るべきです。国会次元でのISD対応が必要です。ISD対応のために政府内関連予算を積極的に編成し、専門担当組織を通じて予め準備するよう政府に促さなければなりません。国会自らは国会立法調査処や国会図書館のような国会内の政策補助機関と共にISDの最近の推移や事例について綿密に検討して、行政府のより早い対応のために鞭を打たねばなりません。投資協定に「特典の否認」条項を含ませる改正作業も、一つ一つチェックしなければなりません。
この報告書は、その努力の一環です。本議員は今年、国政監査でISDと関連する三個の資料集を発刊します。一つ目は国連貿易開発会議(UNCTAD)で出した「投資家対国家間紛争解決手続の最近の推移」であり、二つ目はカナダ国際持続開発研究所で出した「投資条約事例を通じてみた最近の国際投資紛争の推移」です。 投資家対国家紛争解決制度の最近の状況が分かる国際機構と国際研究所で出した報告書を国会図書館に依頼して翻訳し、これを広く共有して共に勉強していくことを提案します。
三つ目の資料集はISDと関連した国内での憂慮事項などを集めた資料集です。韓米FTA協議過程で「法務部の対応方案」、「大法院の意見」、ISD民官タスクフォース(TF)に大韓弁護士協会で提示した意見は、国内での憂慮事項です。 米国内の主な動きでマスコミを通じてすでに知られた、米国州議会議員がTPP交渉を担当する貿易代表部(USTR)に送るISD拒否要求関連の公開書簡の翻訳本を一緒に入れました。
投資家対国家紛争解決手続と関連した国内研究者が不足している今、今回出す三冊の資料集がISDの最近の推移に統計的に接近して、事例を通じて理解できる基礎資料として活用されることを願います。またこの資料集で分析する報告書が、外交通商部と法務部の次元でも定例的に進行される契機になることを願います。
今、政府は去る3月から「投資家対国家紛争解決手続民官タスクフォース(TF)」を構成し、韓米FTA のISD改正草案を作っています。 国内外で提起されるISDの危険性に対する意見を基礎に、現在、進行しているISD民官TFの草案準備作業に、より多くの関心を持つ契機になることを心より期待します。 <終>




韓米FTA交渉
国際投資紛争分野 対応方案


2006.7.

法務部



Ⅰ. 概要
□韓米FTA全体交渉構造
○全体協定文は22個のChapterで構成
・商品貿易関連6個、サービス・投資分野6個、その他の分野(競争、政府調達、知財権、労働、環境)5個、一般事項(定義、透明性等)5個
○交渉単位は総17個分及び2個の作業班に分かれて進行
 ※法務部はサービス(法律市場開放関連)、投資(紛争解決手続関連)、知的財産権(執行分野関連)等、3個の分野に関与中
 ※別添「交渉分科構成現況」参照
○第1次交渉(6.5.~9.ワシントン)結果
・総13個分科で両側の統合協定文完成
 ※統合協定文(consolidated text)は両側の文案が類似したり同一の内容は単一条項に整理し、立場の差異がある内容はブレキット([ ])表示をしたり、両側の立場を併記して整理する形である。
□投資分野協定の構造
○投資分野協定は外国投資家保護のための実体的・手続的事項を規定するもので
- 実体的規定としては内国民待遇、最恵国待遇、最少待遇基準(公正・衡平待遇)、収用に対する補償、送金保証、履行義務賦課(パフォーマンス要求)禁止等、国の義務を規定
- 手続的事項としては国の協定義務違反等による紛争発生時、投資家が受入国政府を相手に国内手続、若しくは国際仲裁を通じた賠償請求権を保証し細部の手続を規定
○投資協定は通常、2国間投資協定(BIT, Bilateral Investment Treaty)形式で締結
されるが、FTA締結時には投資協定を別途Chapterで含ませることが普遍化されて
いる。
○投資協定上、紛争解決手続の基本構造
   - 国際仲裁管轄創設のための紛争当事者同意要件を充たすために、国際仲裁管轄権の事前同意規定を置くことで投資家は紛争発生時、国内手続若しくは国際仲裁を任意に選択することが可能
   - 仲裁機関としてはWorld Bank傘下のICSID(国際投資紛争解決センター)若しくはUNCITRAL(国連国際商取引法委員会)仲裁規則に従って設置される臨時仲裁
     判定部等を規定
   □韓米FTA交渉関連投資紛争手続に対する評価
   ○外国投資家に国際仲裁提訴権を認める紛争解決手続はわが国の既存FTA及びBITのほとんどが認めており、国際的に普遍化された構造で韓米FTAだけに特有な手続ではない。
   ○ただし、既存の締結した協定の相手国は開発途上国だったり提訴の可能性が低い国だった反面、米国との協定締結時には現実的に訴訟が頻発するものと予想され、投資紛争範囲も広範囲になることによってNAFTA投資紛争事例等に基き、投資紛争構造自体に対する批判と憂慮が高まっている。

Ⅱ. 米国の既存FTAの投資紛争解決手続内容
□間接収用に対する賠償責任認定
○直接的収用・国有化措置のみならず、これに相当する措置(equivalent measure)による損害にも賠償責任認定
○収用(Expropriation)に対する別途のAnnex(付属文書)を置き、間接収用の定義、判断法理、排除事由等を規定
  □紛争解決手続及び投資紛争の範囲
   ○投資受入国政府の協定違反等で外国投資家が損害を被った場合、国内司法手続若しくは国際仲裁手続を通じて、受入国政府を相手に直接損害賠償訴訟の提起が可能
   ○協定違反のみならず投資契約(Investment Agreement)、投資認可(Investment Authorization)に関する紛争も投資紛争の対象と規定
   ※投資契約 : 国が投資家に天然資源やその他資産に対する権利を付与したり、これら投資会社等の設立や獲得に関して依存する契約
   ※投資認可 : 国の外国人投資管轄当局が外国投資家に付与した認可 
□国際仲裁提起手続
○投資家は自身のために(on its own behalf)若しくは投資家が直接的・間接的に所有または統制する投資受入国法人に代わって(on behalf of an enterprise)仲裁提起可能
○仲裁提起90日前まで被申請人に仲裁提起意向書(notice of intent)を送達
○紛争発生後6ヵ月経過後、申請人はICSID、UNCITRAL仲裁規則または当事者間で合意した仲裁機関等に仲裁提起
○当事国は国際仲裁管轄に関して協定を通して事前同意
  □国内手続と国際仲裁との関係
   ○仲裁通知書送達時、国内司法手続の開始若しくは中断に関する権利を書面で放棄(waver)しなければならない
   - 国内手続の進行途中でもこれを中断し、国際仲裁に移行可能
   - ただし、賠償金の支給を求めるのではなく暫定的救済措置(Interim injunctive relief)の開始および継続に関しては、国内手続の利用が可能
  □仲裁判定部の構成
   ○紛争当事者が別に合意しない限り、判定部は3人の仲裁人で構成
   - 当事者が各1人を選定、議長仲裁人は当事者間合意によって選定
   - 仲裁提起後75日以内に選定されない仲裁人がいる場合、ICSID事務総長が任命
  □仲裁の進行形式
   ○仲裁地は当事者の合意で決めるが合意できない場合、判定部がニューヨーク協定当事国のうち一つを仲裁地に指定
   ○非紛争当事国(non-disputing Party、投資家の母国)も協約の解釈問題に関して口頭、または書面で意見提出が可能
   ○仲裁判定部は紛争当事者ではない第3者(amicus curiae)の意見を受付・考慮する裁量を持つ
   ○本案前抗弁(preliminary objection)関連
- 本案前抗弁は仲裁判定部構成直後、迅速に提起されなければならずcounter- memorial提出前に決定されなければならない
   - 本案前抗弁受付時、本案に関する手続は中断される
   ○仲裁判定部の仮処分決定権
   - 仲裁判定部は紛争当事者が所持・統制する証拠の保存命令等暫定的保護措置(interim measure of protection)を命じることができる
   - ただし、差押(attachment)または協定・契約違反と主張される措置の施行中断等を命ずることはできない
  □仲裁手続の透明性(Transparency)問題
○被申請人は仲裁関連書類を受付けたら即時に、これを非紛争当事国に伝え一般に
公開しなければならない
   - 書類は仲裁意向書、仲裁通知書、当事者および第3者が提出した意見書等(pleadings、memorials、briefs等)、仲裁判定文等を含む
   ○仲裁審理は一般に公開されなければならないが、審理で「保護情報」(protected information)」が使用される場合、仲裁判定部は情報保護のための適切な措置を取らなければならない
○情報保護関連規定
- 意見書等の提出時、一般当事者は特定情報を保護情報と明確に指定しなければならず、判定部や当事者はこの情報を非紛争当事国や一般に公開できない
- 仲裁判定部が紛争当事国、投資家の保護情報指定が適切でないと判断した場合、これを提出した当事者はその情報を含む意見書の全部または一部を撤回したり、仲裁判定部の決定に従って再び提出することができる
  □事件の併合
   ○多数の投資紛争が同一の事件または状況で発生し、法的・事実的争点が同一な場合、当事者の申請によって事件の併合が可能
   ○新しく仲裁判定部を構成して審理
  □仲裁判定
   ○monetary damages(損害賠償)と財産の返還(restitution)を命じられるし、仲裁費用と弁護士費用にたいする判定も可能
   ○判定は当該当事者および当該事件に関してのみ拘束力がある
   ○仲裁判定の執行
   - 最終仲裁判定日から120日(ICSID仲裁規則に従った場合)若しくは90日
     (ICSID Additional Facility Rules、UNCITRA仲裁規則に従った場合)経過後、執行可能
   - 被申請人が仲裁判定執行に応じない場合、非紛争当事国の要請に従って当事国間紛争解決手続によってパネルを構成して決定

Ⅲ. 国際投資紛争の現況および一般的憂慮
1. 国際投資紛争の現況
□NAFTA紛争の現況
   ○1994年から2006.6.現在まで3つの加盟国が総44件被訴(米国16件、メキシコ15件、カナダ13件、現在13件係属中)および総請求額約280億ドル
   - このうち約20件が間接収用関連である
   ○国の敗訴総5件、合計3千5百万ドル認容
    ※国家敗訴の現況 : カナダ3件、メキシコ2件、米国はなし
□その他投資紛争の現況
   ○2005年まで全世界での投資紛争事例は約219件で、このうち3分の2以上が2002年以後提起される等、最近急増傾向
   ○現在まで約61ヶ国が投資紛争で敗訴した
    ※最多被訴国はアルゼンチン(42件、39件が金融危機以後、緊急措置関連)
 □NAFTA紛争の現況
   ○Metalclad事件
   - Metalclad社がメキシコ連邦政府から廃棄物処理施設設置許可を受けて投資したが、有毒物質による近隣の村の飲用水汚染等で癌患者が多数発生する等、危険性が提起され地方自治体が同敷地を生態区域に指定し、施設設立不許可処分をしたところ、これを間接収用等で提訴
   - 仲裁判定部は「間接収用」および「最少待遇(公正・衡平待遇)原則」違反を根拠に約1,700万ドルの賠償を判定
   ○Ethyl事件
   - カナダ政府が人体有害性の指摘があるガソリン添加剤MMTの輸入を禁止すると、同製品生産企業である米Ethyl社は確実な証拠もなくこれを規制しようとしているという主張を、間接収用等と構成して提訴
     ※政府官僚が立法討論会で発言した内容に対しても損害賠償を請求
- 仲裁判定以前にカナダ政府は1,300万ドルを支払い、和解
○UPS事件
・国営企業(state enterprise)であるカナダ郵便公社(CPC)が法的委任に従って独占的
に郵便配達サービスをするのに併せて、法的委任がない小包特急配達サービスにおいても特恵を得ていることを理由に、小包配達競争社である米UPS社が内国民待遇違反を理由に提訴(公共サービスを対象にした最初のNAFTA事例)
   ・現在仲裁中であり、カナダ郵便労組は仲裁関与を通じてUPSの勝訴時、政府補助金の支給が不可能になり収益性が落ち、僻地に対する郵便サービスを中断しなければならない等の憂慮を提起しており、NAFTAに対する違憲訴訟も起こされる等、社会的影響が大きい
   ○Trammel Crow事件
   - カナダ郵便公社発注の郵便施設管理契約に入札を準備中だったTrammel Crow社は、郵便公社が既存企業との契約を延長し入札計画を取消したことを、協定違反として提訴
   - カナダ政府は合意で終結(合意条件不詳)
   ○Loewen事件
   - ミシシッピー州裁判所がカナダの葬礼企業Loewen社に対して、公正取引違反等で合計5億ドルの損害賠償と懲罰的賠償を判決したのに対して、同判決が「収用」に該当すると提訴
   - 判定部は上の判決が「明らかに不適切で信頼できず、最低(公正・衡平)待遇違反に該当する」として司法部の判決も紛争対象であると判示したが、Loewen社が破産時米国会社に譲渡されたことを理由に管轄なしと決定
      □現在係属中のNAFTA事例で問題になった措置
       ○米国を相手
       - 米国の核廃棄物埋立て政策(他の処理技術保有者が提訴)、カナダ産木材に対する
        反ダンピングおよび履行義務(パフォーマンス要求)賦課、麻薬庁が大麻飲食物輸入を犯罪化した措置、組織犯罪取締り時のゲーム場および会計帳簿押収措置、原住民地域毀損の可能性がある坑口の埋立て措置、タバコ販売額のうち一定比率を公衆保健のための基金に納付するように強制する規定、狂牛病発見以後米国政府がカナダ牛の輸入を禁止した措置
       ○カナダを相手
       - 公園建立のための土地収用措置、ゼネリック医薬品の製造を禁止するカナダの特許法規定、カナダ産飲用水輸出免許の延長・新規発給停止措置、特定農薬販売会社と政府機関の間の同農薬販売制限措置と関連した紛争
       ○メキシコを相手
       - スロットマシンと類似した賭博場閉鎖命令、投資家に敷地を売渡した開発業者の所有権を否認して投資家に土地明渡しを命じた裁判所の判決、1997年ペソ貨危機以後当局の不実社債還収措置の差別性、メキシコ業者と法律家・公証人の共謀で投資家に対する詐欺および同事件対処に対する政府の無能と手続的不公正、土地の国有地過不足に対する所有権紛争、清涼飲料甘味剤製造企業に対する課税措置、国境所在リオグランデ河に対するメキシコ政府の水路変更によるテキサス住民の用水権被害事例、観光地開発合作契約と関連した民・刑事紛争で敗訴後、メキシコの裁判システムを提訴した事件等
2. 投資紛争構造に対する一般的憂慮
 □政府の規制権確保に障害
   ○投資協定はNT(内国民待遇)、MFN(最恵国待遇)等一般的義務のみならず間接収用、国際法に従った「最低待遇(公正・衡平待遇)基準」等を規定している
   ○特に、「間接収用」の概念は国際的定義が確立してない概念で租税、安保、公共秩序、保険等すべての政府(地方自治体および政府投資機関、司法府等を含む)の措置に対して提訴可能
     ※措置(actionまたはmeasure)は政府の法規定、制度、慣行、不作為、公務員の事実的行為等を含む広範囲な概念である
    ※米国の文案は措置以外に「一連の措置(series of actions)」という概念も含んでいるが、これはいわゆる「漸進的収用(creeping expropriations)」を意味するもので個別措置は収用に該当しないが、結果的に収用的効果が発生した場合関連する措置を一括して収用と擬律する概念である
   ○政府被訴時萎縮効果(chilling effect)等により敗訴判定以前にも規制政策推進を萎縮させる効果がある
    ※巨大資本を保有する多国籍企業の場合、制度的・慣行的障害を除去し特定政府を手なずけるために(taming effect)勝訴の可能性が低い場合にも、仲裁を起こす傾向がある
  □予算の負担問題
○最低補償基準に関して国内より高い基準の適用等、損害賠償算定基準の差異から 高額賠償判定の可能性が常存
 ※2004年スロバキアに対して8億2,400万ドル賠償判定等(CSOB case)、2001年チェコに対して2億7千万ドル賠償判定(Lauder case)等
  ※現在まで最多請求額はエネルギー会社の株主たちがロシアを相手に起こした約330億ドル(韓国通貨で約33兆ウォン)
○勝訴時にも仲裁手続の長期化、高額の仲裁・法律費用、証人等関係者の出張費用、
 翻訳費用等予算の負担が不可避
- 最近の仲裁事件関連の1件あたり平均法律費用は百万ドルから2百万ドルと推算され、長期間の訴訟で仲裁費用・法律費用加重の危険があり、投資家が一部でも勝訴した時は仲裁費用の半分負担ないし法律費用各自負担とされる事例が多く、被訴時に手続費用の算定が必要
 ※Pope & Talbot v. Canada事件の場合、原告が5億9百万ドルを請求し4年間進行した結果、結果46万ドルの認容に過ぎなかったが、総費用約760万ドルに関して仲裁費用の半分、法律費用619万ドルを各自負担との判定
  (5千万ドル賠償を主張し150万ドルが認容されたKarpa事件でも同じ原則を適用)
- チェコは最近、ヨーロッパ系放送会社が起こした2つの訴訟の防御費用だけで約1千万ドルをかけた(2003年)
  ※チェコ政府は訴訟に備えた予想費用とて2004年に330万ドルが、2005年に1,380万ドルが必要となるとの予算の推計を発表
□国内外投資家間の賠償要件・賠償額等等差の危険
○外国の投資家だけに政府を相手とした国際仲裁提起権が保障され、国内投資家と 
 異なる収用基準、補償基準等が適用されることがあり、実質的に賠償の不平等を招く危険
□法的安定性問題
○仲裁判定の先例不拘束原則、上訴手続の不備、間接収用の法的基準の不明確性等により政策基準の混乱した状況が発生する可能性
- 被害企業に投資した外国投資家が多数で、各自が別途に仲裁提訴した場合、各判定部で相異した結論の判定が可能
  (チェコのLauder事件等の実例)
□超憲法的措置の強制問題
○韓国の憲法上収用の法理に適合し、法律に違反しない措置が仲裁判定部によって収用と判断される場合にも、韓国政府が賠償判定を執行しなければならないのみならず、関連措置を是正しなければならない負担を負う矛盾が発生する可能性
- 例えば、整理解雇制限の法理を根拠に賠償請求し認容された場合、韓国では大法院判決と背馳する仲裁判定なのにこれを執行しなければならないのみならず、同種の提訴を防ぐために整理解雇要件緩和立法が不可避

Ⅳ.交渉の主要な争点および対応現況
  □主要争点及び対応現況
   ○投資紛争対象範囲の拡大
   - 米国側は当事国の協定義務違反のみならず、政府の投資契約、投資因果関連の紛争も国際仲裁管轄事件と規定
    ※投資契約(investment agreement)とは「一方の締約国の国家当局と他方の締約国の投資家若しくは国民や会社間で結ばれた書面協定として、国家当局により統制されている天然資源やその他資産に対する権利を彼らに付与したり、若しくは彼らが投資の設立および獲得に関連して依存する契約」である
    ※「投資認可(investment authorization)」とは「一方の締約国の外国人投資権限当局が他方の締約国の投資若しくは国民や会社に付与した認可」である
   - 投資契約・認可が投資紛争対象に包摂されると、個別投資契約等で「管轄合意条項」を置いて関連紛争を国内の裁判所でだけ解決することを約定した場合にも、これに関わらず国際仲裁を起こすことができる
  - 韓国側は紛争対象の行き過ぎた拡大、契約上「当事者自治」原則の違背、管轄合意条項関連の複雑な問題点等を根拠に反対
    ※投資契約の主体である「national authority」に関して米国側は連邦政府機関を意味するものと制限しており、韓国側の案は未定の状態である
    -仮に韓国側案が投資契約を中央政府の契約に限定して地方自治体、公的企業等の投資契約を適用範囲から排除しても、これらの機関は協定義務の主体になれるので、契約不履行等契約的紛争(contractual claim)を協定義務違反(treaty claim)と構成して提訴することは可能(最近Bayindir v.Pakistan事件等多数) 
    ※投資紛争対象の公企業への拡大問題
・米国案によれば公企業(state enterprise)とは「締約国によって所有され、又は所有持分(ownership interests)によって統制される企業」と定義(間接的持分所有を通した統制も含むものと解釈される)され
  ・公企業が政府の委任に従って規制的、行政的、政府的権限を行使する場合には行政義務の主体となることを明示しているので、公企業等の各種措置もNT、間接収用等協定義務違反と構成して提訴可能(NAFTAのUPS case等)
   ・公企業政府投資機関が専ら商業的主体として行動する場合の他には、協定が適用される可能性が高い(高速鉄道契約等、各種政府投資機関の契約)
○米国判例法に基づいた間接収用判断法理の導入
 - 韓国が既に締結したFTA等には間接収用に対する賠償の根拠条項のみを置いただけで、判断法理規定を置いていないが、
 - 米国側案は最近締結したFTA、BITで米国修正憲法第5条収用(taking)に関する自国判例法法理を規定
 ・1)政府措置の経済的衝撃の程度、2)政府措置が明白で合理的な投資期待利益を侵害した程度、3) 政府措置の性格等3つの要素を明示
※同法理規定は収用に関する投資家保護において「米国法制下で利用できるのと同等の保護を保障せよ」(“secure protections against expropriation for investors comparable to those that would be available under U.S. legal principles and practice”)は2002年TPAの明示的委任事項を反映し、Lucas判決とPenn Central判決を混合して構成したものと判断される
- 韓国側は、自国判例法の一方的導入に反対する一方、間接収用範囲を制限し 両国間間接収用法理の調和、規範的明確性を期待できる文案の必要性を提起中である。
○仲裁手続の透明性強化
・米国側案は、仲裁法廷に提出された申請書、意見書、判定文等、すべての仲裁関連資料を一般に公開(インターネットによる公開を意味)し、審理手続も公開
・紛争当事者外の第3者(amicus curiae)の意見提出権を保証し、これを審理に当たって考慮するように義務化
 ※透明性関連規定も米国議会の委任事項として、すべての情報と審理公開を通じて第3者の関与を容易にし、投資家に有利な手続的環境を醸成し、国際仲裁利用率を高める効果がある
・韓国側案は第3者介入の副作用、政府の秘密情報保護の必要性等を根拠に反対
   □その他の論議 : 紛争解決手続全般についての削除問題
    ○法務部(法務省)は第1次交渉で国際投資紛争についての各種の憂慮等を勘案して、米国-豪州間FTAの例のように投資分野で内国民待遇、最恵国待遇、送金保証、     収用に対する補償等、各種協定上の義務を規定しても、関連紛争発生時仲裁判定部ではない各国の国内手続を通して解決する方案を積極検討してくれることを米国側に要請
○しかし米国側は米国-豪州間文案は両国がすべての法理が類似した英米法圏の国家である点等を勘案した例外的な文案であり、韓国には適用できないと説明

Ⅴ.今後の対応方案
1. 概要
○投資紛争の危険性および米国企業の提訴可能性が高い点等を勘案して、紛争範囲を最大限縮小し、政府規制権確保のための方案の貫徹が必要
○米国側を相手に紛争解決手続自体の削除を主張することは、高級幹部次元の交渉が必要な事案で法務部はこのための積極的対応を外交部(外務省)等関係部処に要請したことがあるが、交渉推進状況に照らしてこれを期待するのが難しいので、法務部は文案交渉で韓国側案貫徹のため積極的に努力
○対米交渉と併せて米国側と交渉発効時、投資紛争急増が予想されるので、長期的に国内的対応態勢構築のための方案を講ずる予定
2.文案交渉方案
  ○間接収用関連問題
  - 間接収用法理は明確な成文法的規範なく各国の判例と仲裁判定例の蓄積を通じて形成中の概念なので、明確な法理確定が難しいだけでなく仲裁判定の動向等に照らして韓国の憲法原則と背馳する仲裁判定の可能性を排除できない
  - このような危険性を遮断するために間接収用を根拠とした提訴は国内手続でだけによるようにする方案、若しくは既存のわが国の判例原理を協定文に反映する方案等を推進
  ○投資紛争範囲制限
  - 米国側案のように投資契約、投資認可等を紛争対象に含ませる場合、政府が主体になった契約紛争等が排他的国内管轄合意条項にもかかわらず国際仲裁に回付される危険性等があるので、これを除外する韓国側案を積極貫徹
  ○仲裁手続関連
  - 韓国側が被訴された場合、対応の便宜性、国内仲裁力量の引き上げ等のために当事者間合意のない場合、仲裁地を被訴国とする法案を積極推進
  - 議長仲裁人を第3国人とする方案等、仲裁判定部の中立性確保のための方案の貫徹
  ○仲裁の透明性関連
  - 米国側は仲裁判定部に提出されたすべての資料のインターネット公開、紛争当事者外第3者(amicus curiae)の手続関与保証等を要求しているが、
  - 保護が必要な秘密情報の保護方案、第3者の関与を無差別に許容した時、多国籍企業に友好的な国際団体の無分別な仲裁介入の危険性等を勘案して慎重な対応
  ○国内手続と国際仲裁の関係
   - 国内手続進行中にもこれを中断し国際仲裁に移行できる米国側案はForum Shoppingを許容する副作用がある反面、国内手続選択以後は仲裁への移行を禁止する場合、初期に仲裁手続を選択する可能性が高まる憂慮があるので、国内手続への誘因方案および国内外手続間の整合性等を達成できる方案を模索
3.内部的対応体制樹立が必要
  ○各部署別現行規制措置の再検討
   - 投資紛争問題は全ての政府の部署、司法部、地方自治体、政府投資機関等に関連した事案なので汎政府的な対処が必要
  - 主要分野の規制権確保方案および被訴の可能性が高い措置の事前方案を講ずる必要
     ※濫訴に対する実効的防止装置が未整備で投資家のすべての被害状況を「間接収用」若しくは「最低待遇(公正・衡平待遇)基準」違反等で提訴可能(政府の措置がない場合にも、投資家保護のための制度不備を事由に提訴可能)
 - 主要検討対象
  ・各種の租税措置、建築、不動産規制、保健・環境規制、外国企業に対する捜査および税務調査、中小企業支援制度 
  ・政府、政府投資機関、地方自治体等の投資契約等関連実態および投資誘致関連各種の措置の現況等
    ※政府投資機関・公企業等state enterpriseの業務性格、法的根拠、契約実態、差別的措置等、各種実態を集中検討する必要がある
○投資紛争発生に備えた体制の樹立
 - 法令の制・改定および各種の政策樹立・施行時投資紛争発生を事前に予防できる点検体系の樹立
  - 紛争発生時、所管の機関、個別手続対応方案、政府の秘密情報保護方案等論議
  - 外国の対応実態把握および対備計画の樹立
 ○投資紛争に備えるための専門組織運営の必要性検討
  - 高度の知識が求められる国際投資紛争関連業務を効率的に遂行し続けられる専門組織構成方案を論議



別添      【交渉分科構成現況 : 17個の分科および2個の作業班】
  分科      分科長    所管 chapter   
首席代表  外交部 金ジョンフン大使
商品貿易  外交部 韓・米FTA企画団長 商品に関する内国民待遇
および市場アクセス
  農業  農林部 国際農業局長    農業
  繊維  産業資源部 繊維ファッション課長    繊維
原産地 /
通関手続   外交部 FTA商品交渉課長
財政経済部 関税協力課長    原産地
   通関
 貿易救済  産業資源部 調査総括課長
外交部 韓・米FTA国内対応チーム長
 財政経済部 関税制度課長    貿易救済
衛生検疫(SPS)  農林部 FTA2課長     SPS
技術障壁(TBT)  産業資源部 国際標準協力課長     TBT
  投資 外交部 FTA 第1交渉官
産業資源部 投資振興課長    投資
  サービス 財政経済部 通商調整課長
外交部 FTAサービス交渉課長  サービス一般/人力移動
金融サービス 財政経済部 国際金融審議官   金融サービス
通信/電子商取引 外交部 FTA 第2交渉官
外交部 FTA 第2交渉官
産業資源部 電子商取引課長 通信サービス
電子商取引
  競争  外交部 FTAサービス交渉課長
 公正委 国際協力チーム長    競争
 政府調達  外交部 多者通商局長
 政経済部 会計制度課長   政府調達
  知財権  外交部 地域通商局長
 文化部 著作権課長   知財権
  労働 外交部 地域通商局長
労働部 国際交渉チーム長   労働
  環境  外交部 国際経済局長    環境
紛争解決/透明性/総則  外交部 韓・米FTA総括チーム長  定義/紛争解決
透明性/例外/最終条項
  自動車  外交部 地域通商協力官
 産業資源部 輸送機械課長
医薬品/医療機器  福祉部 韓・米FTA T/F局長

   


 投資紛争関連2次交渉対応方案

        2006.7.国際法務課

1.概要
  ○協定文草案の投資chapterに規定された投資家対国家間紛争の解決手続は「収用」の広範囲性等による違憲性、濫訴の危険、政府規制権の萎縮等多くの憂慮が提起されている
  ○これに対する最も効率的な対処方案は米国-豪州間FTAの締結例のように、紛争解決手続部分を削除し、すべての紛争を国内で解決させることだが、積極推進が困難な状況である
  ○韓国の憲法と衝突を起こす可能性がある「収用および補償」条項を根拠とした紛争だけでも国際仲裁提訴の可能性を遮断する方案を次善策として提示しようとする
  ※紛争解決手続全体を削除する方案に対する交渉継続の必要性を前提とした意見である
2.投資協定文草案の構造および「収用」関連の問題点
□投資Chapterは3個のSectionおよびAnnex(付属文書)で構成
○Section A : 投資(Investment) 
・ 米国投資家に対する内国民待遇、最恵国待遇、最低待遇(公正・衡平待遇)基準、収用に対する補償、補償の保障、履行義務の賦課(パフォーマンス要求)禁止等、投資保護のための当事国の実体的義務事項を規定
○Section B : 投資家対国家間紛争の解決 
・ 投資紛争の範囲、仲裁提起および判定手続、仲裁過程の透明性保障手続等、詳細な手続を規定
・ 米国ワシントン所在国際投資紛争解決センター(ICSID)の仲裁若しくは国連国際商取引法委員会 (UNCITRAL)仲裁規則に従った臨時仲裁判定部等を規定
○Section C : 投資、投資家等、各種概念の定義を規定
○Annex  B : 「収用((Expropriation)」に関する概念説明
・ 収用を直接収用と間接収用に区分
・ 直接収用は所有権の移転を伴う収用、「間接収用」は「形式的所有権の移転がないが、直接収用と同等な効果を持つ国の措置(measure)若しくは一連の措置」と規定
※直接収用が特定な財産権の強制的な取得を直接目的に行う措置であるのに対して、間接収用はこれとは関係なく経済秩序の確立、産業構造改善等一般的な目的の政策施行に付随して、財産権が事実上侵害されるケースを意味するので、政策遂行時に不測の障害要素として作用する可能性が濃厚である
・収用に該当するか否かの判断法理 :修正憲法第5条の解釈に関する米国の判例法理論である3要素(Three-factor-test)の基準を考慮するように明示
・1)政府措置の経済的衝撃の程度
・2)明白で合理的な投資期待利益への侵害程度
・3)政府措置の性格
-一部規制領域を原則的に除外 : 保健、環境、安全等公共の福祉(public welfare)のための非差別的規制措置は原則的に間接収用を構成しないという規定
 ※この場合にも例外的事由の存在を主張したり、規制措置が内・外国人を差別しているという理由で提訴が可能になる素地が充分
 □問題点
  ○韓国の憲法上、財産権の補償法理と衝突の可能性
   -韓国の憲法上の補償体系
    ・憲法第23条第3項は財産権収用時、「法律に従った補償原則」および「正当な補償」原則を闡明
      ※憲法第23条:①すべて国民の財産権は保障される。その内容と限界は法律で定める。
        ②財産権の行使は、公共の福祉に適合するようにしなければならない。③公共の必要による財産権の収用・使用または制限およびそれに対する補償は法律でするが、正当な補償をしなければならない。
・「公益事業のための土地等の取得および補償に関する法律」等各単行法律が個別に補償を規定したり、ほとんどすべての土地およびこれに類似した権利に限定され、財産権移転を伴う直接収用に限定
  ・間接収用の概念、範囲および補償原則に対する立法や判例が確立されていない
 -FTA締結の立法代替的効果
  ・米国側案通りに間接収用の概念、判断法理を規定することは条約に法律と同等な効力を付与する国内法原則上、収用関連の法律を立法するのと同一な効果がある
   ※英米法圏の場合、条約締結以後関連国内法規を制・改定する国内手続化
履行(Implementation)過程を通して規範力を付与することになるが、米国側は収用規定は自国の判例法が既に反映していると見ており、米国法上判例法が成文法のような効力を持つので、別途の立法等の措置が必要ない
  ・これは財産権補償範囲を決定する重要な立法に関する法理の憲法適合性があるかに関して国内的な論議の過程なく受け入れるもので、実体的・手続的に違憲問題が発生する可能性
  ※(米国)修正憲法第5条の「収用(taking)」概念の解釈に関する慣例法を通じ補償範囲と基準を定める米国法制と異なり、韓国では法律に従った補償、広範囲な国家賠償責任認定および判例法理を通じた補償という構造を取っていて、米国法理そのままでの受容は不可
-補償基準も相異
 ・補償の範囲と基準に関して「収用された投資の公正市場価格(fair market value)」 とのみ規定しており、通常仲裁判定部が損害額算定時、期待収益等一切の喪失利益を含ませるのが慣例なので、仲裁判定部の判断によれば、天文学的賠償を命ぜられる可能性が常存
  ○濫訴の危険性および国家行為萎縮の効果
   -「間接収用」の概念が広範囲で、投資家は資産価値の減少等すべての被害を国家措置とつなげて「収用」として提訴が可能
    ※NAFTAによる紛争事例をよく見ると環境被害を理由とした規制措置、政府の入札計画取消し措置、タバコの価格から公共基金納入措置、賭博場閉鎖命令等も収用を根拠に多数係属中である(立法・司法・行政等すべての措置が提訴される)
   -仲裁手続の対応過程での各種資料の翻訳提出、関係者の出張証言等、莫大な行政負担および法律費用等の被害が予想
   -外国投資家の提訴の惧れ、被訴による各種予算的・行政的負担、敗訴に対する憂慮等から正当な立法・行政・司法機能が萎縮する可能性が大きい
  ○超憲法的状況発生の危険
   -韓国の合憲的立法・司法・行政行為が仲裁判定部によって「収用」と判定される場合、政府は損害を賠償しなければならないのみならず、同種の提訴防止のために関連措置を是正しなければならないので、超憲法的な矛盾状況を招く危険
    ※大法院判決、労働基準法、憲法裁判所の決定等を通じて確立した整理解雇要件     が被訴し賠償判定がある場合、解雇要件を緩和する立法の義務が発生
    ※立法または規則等に基づいて推進される各種不動産関連の課税若しくは規制政策が収用と判定される場合、税金廃止および規制緩和が不可避
      ※工程40%以上進行した後にアパート分譲契約をするようにした2006.7.6.建設交通部措置等についても、その間の利子費用またはそれによって事業自体不可能になったという理由で、仲裁提訴が可能なものとみられる
      ※外国企業の不法行為を理由にする押収、捜査、有罪宣告、不法利益返還等が収用と判定される場合、司法主権と衝突
3.対応方案 : 「収用」関連紛争は国内の手続で解決
 □提案内容
○「内国民待遇」、「最恵国待遇」等、他の協定義務を根拠にした提訴に対してだけ仲裁
提起を許容
 -協定で発生する義務であり、韓国憲法との衝突はない
○協定文第6条「収用」を根拠とした提訴は仲裁を禁止し国内手続だけで解決するようにするが、仲裁管轄に対する個別的同意がある場合にだけ仲裁への提起を許容
※米・豪州間文案のように紛争解決手続絶対削除主張の貫徹が難しい場合、次善の解決策であり中国とドイツの投資協定に先例がある
□主張の根拠
○「収用および補償」関連紛争の合憲性補償
 -収用に対する補償は、憲法が定める財産権補償の内容と限界の問題なので、協定 締結を通じた保護範囲が憲法的限界と一致できるように保障する仕組みが必要
 -財産権侵害に対する補償は協定上に規定を置かなくても憲法上保障される権利であり、仲裁合意が外国投資家に超憲法的権利を付与することに対する同意ではないので、結局収用問題を仲裁で解決するのは公正な基準と手続を保障されるためにforumを移すという意味に過ぎない
 -しかし仲裁判定部が各国の憲法上の原理に沿った判定をすることを保障する仕組みがない限り、国内手続化が唯一の対案である
○韓国の司法制度の信頼度維持および誇り(自尊心)の保障
 -投資協定は先進国資本が財産権補償体制が未整備な低開発国に投資しながら、安全を保障されるために締結するのが通例
 -しかし韓国は司法制度等が検証されたOECD国として司法を通じた権利保護の仕組みが完備しているので、基本的安定性の保証が可能
  ※NAFTA(‘94)以後、米国と仲裁手続が含まれた投資協定を締結する最初のOECD国となるもので韓国の司法制度が不備なことを自認する結果になる可能性がある
 -韓国の補償基準が未熟という疑問視、韓国の補償体系に対する米国企業の具体的不
満事例の有無、同一事例に対する米国内補償体系に対する比較検討後、改善方案を
講じる
  ○米国側の同一の関心事項と合致
-米国側が間接収用判断法理に関して収用(taking)に関する自国判例法の内容を規定した理由は、自国の判例法を許容する文案にせよという米国議会TPA(貿易促進権限法)の委任に沿ったものである
   -これは国際仲裁によって米国に投資した外国人が米国人投資家より多くの権利を付与されるかも知れず、これは米国憲法に違反するという点を憂慮したものである
    ※米国議会がFTA交渉権を行政部に付与するTPA2002(貿易促進権限法)はたった1票の差で通過したもので、主権を侵害する素地を内包した投資紛争解決構造に対する憂慮が反対意見の有力な論拠になり、当時米国州最高栽判事協会、州法務部長官協会も国際仲裁の違憲性に対する憂慮を表明したことがある
    -韓国側の提案は憲法と矛盾する状況の回避、国内外投資家間の平等待遇等、米国側が憂慮する措置であり、米国議会の関心事と同一 
 ※米国が提示した法理に対応して、ドイツの「特別犠牲」概念等に基いた韓国の判例法原則の反映を要求する方案だけでは、基本法理体系の相違を解消できないのみならず、仲裁判定部に対する実効的判定基準として機能することが難しい
   ○「収用および補償」とその他協定義務との差別性
   -収用に対する補償原則は、協定を締結しなくても韓国の憲法で保障される権利であるのに対して、内国民待遇、最恵国待遇、送金保証等の権利は協定を通して創設される権利と評価できるので、両者間の理論的区別が可能
  ○既存の先例あり
   -ドイツ-中国間投資協定(2003年)の文案
    ・「収用および補償」を規定した第4条第(2)項で「収用の合法性および補償金額の問題は投資家対国家間紛争解決条項(第9条)にもかかわらず、国内の裁判所が審査すると規定」
 ※ “At the request of the investor the legality of any such expropriation and the amount of compensation shall be subject to review by national courts, notwithstanding the provisions of Article 9.”
□反論の可能性
 ○国際的異例性の問題
  -間接収用だけを仲裁範囲から除外することは、国際投資協定の慣例上普遍的方式ではないという批判が可能だが、
   ・米-豪州方式は紛争解決手続全体を除外した異例なケースで、「収用」だけの除外はこれより緩和された形態であり、ドイツ-中国間投資協定等でも例を発見できるし、
   ・いわゆる「北-北」間投資協定締結自体が異例なものなので、必ず既存の「北-南」間投資協定様式を踏襲する必要はない
    ※米国が46ヶ国と、豪州が21ヶ国と締結した投資協定はすべて紛争解決手続を含んでいるが、相手国はすべて低開発国ないし開発途上国である  
○請求原因の可分性問題
  -仲裁提訴する場合、一連の事実関係を「内国民待遇違反」、「公平待遇違反」、「間接収用」等、色々な請求原因を動員して提訴する場合、一部の請求原因を分離して国内手続を強制するのは非論理的という批判が可能だが、
・収用以外の他の請求原因は、仲裁判定部に要件に該当するか否かを別途に判断させ、同義務違反と直接的因果関係のある損害として補償範囲を限定する等、技術的補完を通じて解決可能で、
・主要請求原因が「収用」であるケースが多いので、この争点が除去される場合、仲裁判定部が解決する争点が単純化し迅速な仲裁可能
 ※NAFTAのKarpa(Feldman) v.Mexico事件の場合、被訴国がタバコ輸出業者である申請人に消費税を返還しない事実が「漸進的収用」と内国民待遇に違反に該当すると提訴されたが、判定部は収用に基く請求は棄却し、NT違反だけを認容(同一の環境にある他の投資家たちと比べて、同一の待遇をしなかったと判示)して200万ドルの賠償を命令
□文案の構成
○韓国側「収用および補償」条項(第6条)に第6項を追加
-「措置の収用に該当するか否かおよび補償金額の問題に関する紛争は締約国の国内
 行政裁判所若しくは一般裁判所の手続による」という文案を追加
○事前同意条項に例外規定追加
-事前同意を規定した条項(韓国側文案第18条、米国側文案第16条) 第1項末尾に「仲裁提訴が第6条を根拠にした場合を除く」という文案を追加
4. その他濫訴防止方案
□国家間事前協議義務の賦課
 ○協議および調整義務条項(韓国側16条、米国側14条)に国家間事前協議義務条項追  
  加
 -「仲裁提起前、被訴国政府と投資家の母国政府間でもconsultationとnegotiation手続を経なければならない」
  ※TPA立法前にニューヨーク州法務長官(Eliot Spitzer)は外国投資家が投資紛争提起前に自国政府から承認を受けるようにする要件を置くことを要求したことがある
 ○国家間事前協議の条項を置く場合、投資家が母国政府に協議要請過程で提訴意志が 緩和され、濫訴が選り分けられる効果を期待


大法院 (最高裁判所)
〒137-750ソウル市瑞草(ソチョ)区瑞草洞967/電話(02)3480-1734/ファクス(02)533-2824 /gml.00403@scolurt.go.kr 企画調整室 国際審議官・チョ・ヒョニル 法院(裁判所)事務官・河(ハ)デウン 担当者・チョ・ソンミョン

文書番号 国際審議官-137
施行日時 2007.1.12.
(経由)
受信 法務部長官
参照 国際法務課長

公開区分:公開 室長:全決 審議官(総括):チョ・ヒョニル 審議官:韓(ハン)エラ 起案: 河デウン


題目 韓・米FTA国際投資紛争解決手続関連検討意見送付

1. 貴府施行国際法務課-1770(2006.6.22.)関連です。
2. 韓・米FTA国際投資紛争解決手続関連検討意見を添付して共に送付します。

添付 : 韓・米FTA国際投資紛争解決手続関連検討意見1部。 以上。



          法院(裁判所)行政処長

韓・米FTA国際投資紛争解決手続と関連する検討意見
法院(裁判所)行政処

Ⅰ. 投資紛争解決手続関連の主要内容
1.「投資家国家提訴制」導入
○締約国の個人投資家は他の締約国が交渉上、投資規定及び国営企業に関する関連規定による義務に違反した場合に、その締約国に対してこれによって受けた損害や損失を賠償・補償するようにする国際仲裁請求をできる「投資家国家提訴制」を導入
○要件
 -当該投資家がその違反事実とこれによる損害や損失の発生を初めて知ったり、知ることができた時から3年以内に起こさなければならない。
 -紛争当事者は仲裁手続への提訴に先だって、まず協議または交渉を通じて紛争を解決することを試みることが要求される。
 -紛争当事者個人は①協定による仲裁に書面で同意し、②当該請求と関連した他の行政審判機関での救済手続を開始したり、継続する権利を放棄しなければならないことが要求される。
○手続
 -紛争投資家は仲裁回付90日前に、その意思を書面で紛争当事国に通知しなければならない。
 -紛争投資家は紛争発生後6ヵ月が経過した場合に、仲裁請求をすることができる。
 -仲裁機関 : 韓米どちらも国際投資紛争解決センター条約に加入しているので、同条約によって設置されたICSID(世界銀行国際投資紛争解決センター)が仲裁機関になる。

2.実体規定の用意
○「投資家国家提訴制」のための実体規定の用意(草案’投資’第6条、附録B)
-収用(expropriation)の要件および制限
-収用に対する補償
○補償の対象になる収用の範囲を「収用または国有化と同じ措置」(measures equivalent to expropriation or nationalization)に制限
  ※北米国家間で締結されたNAFTAでは、収用の範囲を「収用または国有化と類似した措置」(measures tantamount to expropriation or nationalization)と曖昧に規定して、収用の範囲が無限定に拡大する等、いろいろな解釈的論議の混乱を引き起こした。
○直接収用(名義移転、差押)や間接収用(名義移転、差押なしに直接収用と同一な効果をもたらすもの)時、国家は公正な市場価値(fair market value)を反映した価格を補償しなければならない。
○国家の行為が間接収用に該当するか否かは、次のような事項を考慮して具体的に事件別に審査して判断
   -政府措置の性質や経済的影響
   -投資家の合理的期待の侵害程度
  ○特別なケースを除いては公共保健、安全、環境等公共の福祉の目的を達成するための、締約国の合法的で非差別的な措置は、間接収用を構成しない。

Ⅱ.検討意見
 1.「投資家国家提訴制」について
  ア、意義
  ○FTA締約国間の紛争解決手続とは別に、投資家対国家間の投資紛争解決手続(投資家国家提訴制度)を置くことは、外国に投資した投資家の私有財産が投資受入国政府の不当な差別待遇によって被害を受けた場合、①投資受入国の国内法院(裁判所)が一方的に不利な判決を下す可能性があり、②政府間交渉による紛争解決は外交的考慮が優先され、損害が実質的に補償されない可能性があるとの考慮に従ったもので、外国投資家の権利救済のためのものといえる。
  ○「投資家国家提訴制」は国際投資紛争分野で台頭した新しい形態の紛争解決の手続であるが、これによって該当紛争に対する投資受入国の国内法院(裁判所)の司法審査を排除するものではなく、外国人投資家が自身の権利救済を図るフォーラム(Forum)と関連して、新しい選択権を追加で保有するようにしようというものである。

イ、 利点(長点)
○紛争解決の公正性確保が可能
-投資受入国政府との紛争で、紛争当事者である該当国の国内法院(裁判所)に提訴する場合、審理及び決定の公正性に関して、疑問が起きる。
-国内法院(裁判所)ではない国際法廷で投資紛争解決を図る次元から最小限、形式的な公正性を確保できる。
○自国民保護及び投資誘致の活性化が可能
-国家は海外に投資する自国民を保護できるし、外国投資家の自国内資本誘致を促進するのに寄与できる。
○既存の国家対国家間紛争が招く政治、外交的波及及び費用を適切に統制できる。

ウ、問題点
 (1)主権の侵害可能性
○「投資家国家提訴制」の導入で、国際仲裁機構が投資受入国政府の各種政策や規制措置に干渉し、このような紛争に関して国内の司法府が関与する余地がなくなり、国家の主権または司法権が侵害される素地があるという指摘がある。
-これに対しては、このような制約は条約の批准(承認)等の手続を経て、国家が自発的に同意することに従うもので、国家はそのような選択をする主権を行使するものだと言えるという見解もある。
○また「投資家国家提訴制」を置く場合、外国人が自国民よりも多くの権利を持つことになり、平等権に違背する惧れ(いわゆる内国人に対する逆差別の問題)があるという指摘も提起されている。
-過去には南米等、開発途上国が国際法の領域が広がることに反対しこのような見解を取ったが、現在ではむしろ米国とカナダのような先進国で逆差別に関する批判が提起されている。
-米国連邦議会は2002年貿易促進権限法(Trade Promotion Authority, TPA)を通じて、米国市民よりも大きな権利を外国人に対して付与することなく、行政府が投資交渉を進行しなくてはならないという制約を置いた。

 (2) 仲裁請求対象に、司法府の裁判が含まれる問題
○「投資家国家提訴制」下では、国内司法府の裁判も仲裁請求の対象になるので、法的な不安定及び不安を招く惧れがある。
○最近、NAFTA(北米自由貿易協定)の投資紛争解決手続に従って米国の裁判手続、または判決が仲裁請求の対象になると判定した事例(Loewen v.United States事件等)がある。
-上のLoewen事件以後、米国のNGOや議会内からも、NAFTAの紛争解決機関が米国州法院(裁判所)の判決に対してまで判断することに対して、憂慮が表明されたことがある。
○司法府の裁判が無差別的に仲裁請求の対象になる場合には、いろいろな副作用を招くことがあるので、裁判を仲裁請求の対象から除外する方案や対象を制限して明確に規定する方案を検討する必要

 (3)国家の公共政策歪曲問題
○「投資家国家提訴制」下では、国際仲裁裁判府が投資受入国政府の各種政策や規制措置に対する評価及び審理をすることになるが、政府の各種政策等が国内司法府ではない、仲裁裁判府によって判断されるので、政策が歪曲されたり国家的混乱を招く惧れがあるという指摘がある。
○最近米国でもNAFTA関連投資紛争解決手続でこのような問題点が指摘されるや、連
邦議会が前で見たように米国政府の今後のFTA締結交渉権限に一定の制限を加え、その後締結された米・チリFTAでは公衆健康、安全及び環境等に関する政府政策は間接収用を構成しないという規定を置くことになった。
※米・チリFTA : 「特別に例外的なケースを除いては、公衆の健康と安全及び環境等のように公共の福祉の目的を達成するための締約国の合法的で非差別的な措置は、間接収用を構成しない」
○韓米FTA草案にもこのような米・チリFTA規定と同一の規定を置くことで、「投資家国家提訴制」による国家の公共政策歪曲問題はある程度解消するものと見える。

  (4) 仲裁手続の透明性問題
  ○従来NAFTAの紛争解決手続は書面、または口述審理の手続が公開されない等、透明でないという指摘が多かった。
  ○このような指摘に従って最近に至り、NAFTAの仲裁手続の透明性の問題は各締約国間で、仲裁裁判府の決定及び審理手続公開等を合意することで、多くの部分が解決した。
  ○最近、仲裁手続の透明性問題と関連して議論されているものとしては、第三者の手続参加、上訴問題等がある。
  ○米・チリFTAでは、仲裁手続の透明性を保障する各種の仕組みを備えている。
  -当事者ではない第三者に法律意見書提出権限を付与
  -当事者の除斥、忌避申請制度の導入
  -審理手続及び提出されたすべての書類の公開
  -協定発効後、3年以内に各締約国は仲裁裁判府の決定に対して判断する機構、またはそれに相当する機構を設置するか否かについて協議
○韓米FTA草案にもこのような内容を米・チリFTA規定と同様に規定することで、仲裁手続の透明性及び公正性はある程度解消するものと見える。

(5)その他
○韓・米間投資額の規模等に照らして、「投資家国家提訴制」は主に、米国投資家の保護装置として機能するという指摘もある。

エ、検討
○米国は2006.3.現在47ヶ国と二国間投資協定を交渉し、現在40ヶ国との間で同協定が発効中だが、その40ヶ国から「投資家国家提訴制」に基づく提訴をされたことはない。米国に対しては唯一NAFTAに沿った「投資家国家提訴制」による請求があるだけで、それもすべてカナダの投資家が起こしたものである。
○他の国の投資家の訴訟提起件数が少ない理由は、それらの協定のほとんどが開発途上国と締結したもので、開発途上国の投資家が米国を相手に訴訟を起こすような条件が備わっていないことに起因すると見られる。
○このような事情を勘案すれば韓・米FTAの投資紛争解決の手続で、米国投資家のわが国(韓国)政府に対する仲裁請求がより多いものと予想されるが、わが国の立場では提訴に沿った対応等、相当な負担として作用する惧れがあり、米国の例で見られるように仲裁請求の対象に司法府の裁判を排除できないなら、甚大な法的混乱を招く可能性がある等、副作用が発生する惧れがあるのも事実である。
○反面、「投資家国家提訴制」の導入で、韓国は海外に投資する国民を保護し、外国の投資家の自国内資本誘致及び状況、外国のFTA締結事例等を綜合的に検討し、国民の充分な意見収斂を経て判断するべきと思料される。
○ただし「投資家国家提訴制」を導入するとしても、仲裁請求対象から司法府の裁判は排除する等、仲裁請求の対象と要件を具体的に特定して未然にその解釈と関連する紛争を防ぎ、「投資家国家提訴制」に沿った紛争解決手続が公正で透明な手続に従って運用できるよう、合理的な仕組みを備える方案を検討する必要がある。

2.実体規定について
○草案は「投資家国家提訴制」のための実体規定として収用(expropriation)または国有化(nationalization)の種類、要件及び制限、収用する場合の補償期間、方法等を規定している。
  ○各種条約例は間接収用を直接収用と共に補償の対象に規定しているが、このように間接収用に対する補償は、わが国が締結したほとんどの二国間投資協定や、チリ、シンガポール、EFTA等5ヶ国と締結したFTAに既に反映されている内容である。
  ○特に草案は補償対象になる収用の範囲を制限し、公共保健、安全、環境等、公共の福祉に関する規制的措置を除く等、収用の範囲や要件等を少し限定した。
  ○北米国家間で締結された自由貿易協定(NAFTA)が収用の範囲を広げて規定し、抽象的な規定のせいで種々の問題が発生したという反省的考慮を土台に、その後締結された米・チリFTA、米・シンガポールFTAでは収用の範囲や要件を具体化することで、外国投資家対国家間紛争から国家の責任が緩和した側面があった。
  ○間接収用に該当するかどうかを判断する具体的な基準とするには充分ではない、「公共保健、安全、環境等、公共の福祉の目的を達成するための、締約国の合法的で非差別的な措置は、間接収用を構成しない」という規定を置いたのは、従来国際仲裁裁判所等の判例と学説に符合するもので発展的と判断され、ただ公共の福祉の目的に列挙された上の事項が例示的なものであることを明らかにする必要がある。
  ○上の韓米FTA草案はNAFTA規定を改善して反映した米・チリFTA、米・シンガポールFTA規定とほとんど同一に規定したもので、大体で特別な問題点があるとは見えない。
  ○ただ収用補償対象が拡大した結果、今後わが国の収用に対する補償体系とどのように調和させられるのかに対する深い研究が必要である。


韓米FTA国際投資家国家間
紛争解決手続(ISD)に対する意見
2012.7.20


※大韓弁護士協会は韓米FTAのISD関連規定について、次の意見を提示します。

1. 上訴のメカニズム
ISDの正当性(legitimacy)を問題にする立場からは、特にこのような手続の「民主性欠如(democratic deficit)」を指摘してきました。ところでISDが一般的に要求される正当性を備えているのか否かを判断するにおいては、いわゆる「Global Administrative Law(以下“GAL”)」1)が提示する主要原則である責任(accountability)、手続的関与(procedural participation)、透明性(transparency)、判断根拠の提示(reasoned decision)、実体的基準(substantive standards)および審査の可能性(reviewability)等が一応その基準になるでしょう。

このような基準に照らしてみる時、韓米FTAはISDの正当性に対する批判を緩和するために相当な努力を傾けたことが分かります。例えば、手続的参加を保障するために、外部助言者書面の立場(amicus curiae submission)の提出を許容したし、(第11.20.5条)、透明性の向上のために審理および文書を大衆に広告するようにしました。2)

                                              
1) GALは国際行政機構または、国際的に影響を及ぼす行政機関(非政府機関を含む)、システム、規定等の判断過程が国内行政法にあたる原則を遵守しているか調べるところに、その目的があります。(例:IMF/World Bankの決定が透明で、公正になされるか否かの判断)
2)また、仲裁判定部の判断理由が仲裁判定で充分説明されなければならないのはもちろんのこと、最恵国待遇、内国民待遇、公正・衡平待遇、収用などISDの基本原則とこれに関する相当な量の判定例が実体的基準を構成しています。ただし、仲裁判定部に対する責任を問う問題においては国内裁判所の裁判と同じく、司法的な判断による本質的な限界を持つことになります。





しかし仲裁判定の審査可能性においては、韓米FTA第11章による紛争解決手続が、非常に制限的な立場を取っています。 ICSID条約もまた第51条および第52条で説明したように、ICSIDは基本的に上訴を許容しないし、とても制限的な場合にだけ仲裁判定の修正・取消し手続を許容しています。3)ところが実際において前者はほとんど活用されていない制度で、後者の場合には仲裁判定の重大な手続的欠陥を理由から無効化する手続であって、既存の判定の実体的判断の当否に関して上訴を許容するものと見るには困難があります。
このように韓米FTA上のISDに対する批判が、その正当性に集中しており、特に審査の可能性が非常に重要な意味を持つにもかかわらず、一般的なICSIDの手続の下では仲裁判定に対する上訴が事実上不可能という点から、制限的であっても別途の上訴手続を用意する合理的な必要性が認められます。また仲裁判定が先例としての拘束力を持たないので、仲裁判定間の最小限の統一性および予測可能性確保のためにも、上訴手続の備えが必ず必要な側面があります。

もちろんISDに関する既存の多国間協定またはFTAやBIT等、二国間協定でこのような上訴手続を備えている例は殆どなく、同協定上の取消し手続を除いたいかなる上訴手続も許容しないICSID第53条ないし第54条の立場との調和的解釈を導き出すことも、やはり容易でない側面がありますが、ICSIDの改正と関連して別途控訴機構を備えるための協議が続けられている点、米国の2002年貿易促進権限法(Trade Promotion Authority Act)等で上訴機構設置の可能性を前提にしている点、米国自由貿易地域協定(FTAA)4)等多国間協定で上訴機構の設置に関して相当な進展を見せていて、MERCOSUR等では仲裁判定の上訴手続を掌握するための常設裁判所を設置した点などを勘案する時、韓米FTAでも別途の上訴手続を備えることが理論的に可能と見えます。5)
                                        
3)一方、韓米FTAによってもUNCITRAL仲裁規則やICSID追加手続規則に基づいて手続を進めた場合には一定範囲内で仲裁地国の裁判所が仲裁判定を修正、保留、取消すことが可能で、NAFTAでも裁判所による仲裁判定の取消しを規定しています。しかし既存のNAFTA事例等に照らしてみる時、裁判所による仲裁判定の審査に対しては、審査の公正性、専門性などが問題になり得ます。
4) ISD仲裁判定に対し固有なものではないが、FTAAでは紛争解決と関連してWTO上訴手続と類似の常設の再審機構を用意することを規定しました。
5)上訴メカニズムを備える場合の代表的な問題点としては追加的な手続遅延があり得るが、このような手続的遅延はICSID協約による取消し手続を践む場合にも発生するものであり、WTO DSUのように上訴手続の場合には非常に厳格な時間的制限を置けば、このような手続遅延による批判をある程度解消できるものと見られます。また投資家が本来の仲裁手続で勝訴し、投資受入国が上訴を提起する場合には、一定の担保を提供させることで投資家の正当な利益を保護することが可能です。
したがって現在の韓米FTA付属書11-ラのように、上訴機構メカニズム設置の有無を「3年以内に検討」と曖昧に規定するのではなく、今回の再協議を通じて上訴メカニズム設置に合意し、関連規定を明示する方案を考慮して見ることができます。特に米国-ドミニカ-中央アメリカ(CAFTA)間のFTA付属書10-Fでは、上訴手続の用意に関して相対的に詳細な規定を置いていて、このための交渉が進行しているので参考になるでしょう。6)


2.ISD提訴対象等の縮小
再協議の主な目標の中の一つが、ISDによる危険への露出(exposure)を減らすことにあるのなら、FTAによって提訴できる対象を現在より、もっと縮小して政府の政策と規制措置による個別的な留保を拡大する方案および間接収用が認められる範囲を現在より狭めたり、制限的・具体的に列挙する方案(または間接収用を構成しない政策の範囲を拡大し明示する方案)等を考慮できます。 勿論すでに韓米FTAが、既存のFTA/BITに比べこのような例外ないし留保を相対的に多く認めている関係から、具体的にどんな内容を追加した方が良いのかに対する例を探すことは易しくない実情です。ただ例えば、次のような事案を考慮して見ることができます。
例を挙げると北朝鮮問題と関連して、韓米FTAでは開城(ケソン)工業団地の原産地等に対する規定があるだけで、未来の統一後の問題に対する考慮は不足したと思料されます。 統一後には北朝鮮国民の生活水準が顕著に落ちるでしょうから、北朝鮮国民にだけ適用される恩恵等の政策が導入されることは想像に難くないのに、このような政策は第11.3条の内国民待遇、第11.5条の最低限待遇(公正・衡平待遇)基準、第11.6条の収用および第11.8条の履行要件等の違反等を問題にして、相手国投資家の提訴対象になる危険性があります。例えばPiero Forestiv South Africa (ICSID Case No. ARB(AF)/07/1)事件では、外国人投資家が南アフリカ共和国鉱物産業分野の黒人優待政策を問題にして、ICSID手続を開始した事例があります。 もちろん統一のような事案は後で問題になる場合、国際慣習法を基に「事情の根本的な変更(fundamental change of circumstances)」等も主張してみる余地があるかもしれませんが、受け入れられる可能性は相対的に低く見え、別途付属書等で「統一後のISD規定と関連しては、統一後1年内に再協議」または「統一後、北朝鮮関連政府措置は例外」等で含ませる方案も考慮してみることができます。

                                          
6)同付属書では協定発効日から3ヶ月内に別途の交渉グループを組織して、次の事項等を検討するようにしています。 :①上訴機構の性格および構成、②審査の範囲と基準、③上訴機構手続の透明性、④上訴機構の決定の効力、⑤上訴機構による審査とICSID/UNCITRAL仲裁規則との関係、⑥上訴機構による審査と既存国内法および仲裁判定の執行に関する国際協定との関係

3.協約上権利の濫用関連
主に租税恩恵に限定して発生した、いわゆる「Dutch Sandwich」の問題が、最近ではFTA/BITを対象にも頻繁に起きています。例えば国家Aの法人が投資家として韓国に投資事業を始めた後、紛争が起きた頃に投資家の再構造化を通じて投資の主体を国家Aの法人でない米国法人に化けてISD提訴に対する権利を取得する状況が発生する可能性があります。これは場合によって協約濫用(treaty abuse)と称することができますが、実際にPhoenix Action Ltd. v. Czech Republic (ICSID Case No. ARB/06/5)とMobilCorp. v. TheBolivarian  Republic of Venezuela (ICSID Case No. ARB/07/27)で問題になったことがあります。 もちろん上の事件の仲裁判定部たちは、自主的な理由を挙げて該当外国投資家の提訴に対する司法審査権の行使を拒絶しました。しかしISDの判定例が互いに拘束力がない点および韓米FTA第11.28条の投資(investment)、非締約国の投資家(investorof a non-Party)および締約国の投資家(investor of a Party)の定義に、上のような協定濫用に対する明示的な考慮がないという点を勘案する時、再交渉を通じてこの部分を明確にする方案も考慮して見ることができます。 特に、再協議の目的がISDに対する露出の可能性を減らそうとするのならよりそうです。
一方、現在の韓米FTA第11章11条第2項には「当事国は、非当事国の投資家または、恩恵否認の当事国の投資家が、他方側当事国の企業を所有したり支配しているケースで、他方側当事国の領域内で実質的な営業活動(substantial business activity)をしていない場合、そういう企業として他方側当事国の投資家とその投資家の投資に対し、この章の恩恵を否認」できると規定することで、協約上の権利の濫用を規制する条項を置いているが、政府間実務交渉を通じて手続、方法、要件などに関して具体化することを考慮することができます。


投資家対国家紛争解決拒否を促す関連の
公開書簡

米国の州立法議会議員たちが環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉者に送る
投資家国家紛争の解決を促す関連の公開書簡

米国全域の州立法府議員の中から選ばれた議員として、公正な規則が施行される時、国際貿易を大切にして経済的繁栄を増進するために、各州でグローバル経済に積極的に参加するよう奨励します。

現代の貿易協定は関税とクォーターのような伝統的な貿易問題の境界線を跳び越えて広範囲な影響力を持つので、米国憲法に規定された連邦制度を通した公共の保健、安全および福祉の保護のために州の役割を弱化させることがあります。貿易規則は勤労者と企業に公平な競争の場を保障する規制のために、そして重要な人権、労働および環境基準を含ませるために、州の自主権と立法府議員としての私たちの権限を制限することがあります。
各州に制約を加えても、条約協議過程の透明性の欠如、州および地方の法律に及ぼす貿易協定の多大な影響に対して、州と交渉者間で留意した協議の不在は私たちの大きい心配ごとになっています。

投資家国家紛争解決条項が環太平洋経済連携(TPP:Trans-Pacific Partnership)協定の一部として採択される場合、私たちは州の規制的、法的および司法的権限に及ぼす影響を特に憂慮します。現在米国を含む9つの環太平洋国家間で交渉中であり、北米自由貿易協定(NAFTA)パートナーであるカナダとメキシコ、そして日本を含ませるように拡張することができる環太平洋経済連携は、各州に重大な影響を及ぼす広範囲な条約です。

投資家国家紛争解決制度(ISDS:Investor-State Dispute Settlement)条項は投資家が海外の民間投資法廷(private investment tribunals)に政府を直接提訴する権限を与えて、裁判所を回避できるだけでなく投資家が国内裁判所の決定を受け入れられない場合に「控訴(second bite)」も許容します。投資家国家法廷は事実上、米国連邦、州および地方法律を無効にする権限はなくても、ある国家が投資家に敗訴した場合、該当地方は抵触する法律を変更したり損害額を賠償したり、双方を施行することになるでしょう。さらに、提訴が、ある国家の将来の政策決定審議に萎縮効果(chilling effect)を及ぼすことを狙って、なされるようなこともあってはならないでしょう。

このような権利は今更のことではないのですが、外国の企業たちはこのような権利を利用して核心的な公共政策決定に異議を提起するので、環太平洋経済連携交渉は投資家国家間の提訴によって急激に上昇する非難の世論に包まれるでしょう。

特に、二国間投資協定および自由貿易協定の投資家国家紛争が国家法廷の訴訟手続および結審等、国内法的手続に対する異議申し出のために使われる事態に対する憂慮がますます高まっています。 最近の例としては北米自由貿易協定による主陪審員団決定に対する異議申し出等、鉱業法規およびタバコ ラベル関連法(tobacco labeling laws)に対する異議申し出があります。

この制度によって下される命令は、ますます対象国家(host country)の憲法、法律および裁判所体系(court system)による国内会社および投資家に提供されるものより、外国投資家により大きい権利を付与することになります。いくつかの例として、仲裁裁判所(arbitral tribunal)の現金賠償が財政規模を越える、深刻な法律的摩擦を引き起こす禁止命令救済を発令したことがあります。例えば、米国-エクアドル両者間投資条約にしたがって、エクアドルに対してシェブロン(Chevron)が起した訴訟で裁判所が下した最近の命令は、その国家の行政府に対して、憲法的権力分立に違反して抗訴裁判所判決の執行を中止することを命令しました。

米国の立法府議員は貿易協定の投資家国家紛争解決制度条項に反対する立場を明白に採択しました。全50州とコロンビア自治区を代表する全国の州立法者協議会(NCSL:National Conference of State Legislators)は投資家国家紛争解決制度に関して、次のような政策を採択しました。

全国州立法者協議会は米国の会社が米国憲法によって享受する権利より、外国会社により大きい実質的または手続的権利を提供する投資条項(investment chapter)を含む二国間投資協定(BIT:Bilateral Investment Treaties)または自由貿易協定(FTA:FreeTrade Agreement)を支持しないでしょう。 特に、全国州立法者協議会は投資家と州間の紛争解決を規定するいかなるBITまたはFTAも支持しないでしょう。全国州立法者協議会はある州が公共目的に寄与するための非差別的な法律や規定を採択する場合に、これは投資協定や条約の違反が成立してはならないと確信し、これは法的環境の変化で外国投資家の移転の期待を挫折させる場合でもそうです。

全国州立法者協議会は法律を履行するBITとFTAは国際貿易または投資協定を施行するために、米国裁判所での私的活動や国際紛争解決委員会の裁決を拒否する条項を含ませなければならないと信じます。また、法律の施行規則は国際紛争解決委員会や国際貿易および投資協定自体の決定が、米国法律の問題から州を拘束しないことを言及する条項も含まなければなりません。

私たちはこのような立場を強力に支持しながら、米国貿易代表部(U.S TradeRepresentative)が環太平洋経済連携に含ませるための追加的な検討から投資家国家紛争解決制度条項を排除することを要求します。
私たちはオーストラリア政府が環太平洋経済連携およびその他未来の貿易協定による投資家国家紛争解決制度権利に従う用意がないとした発言に鼓舞されたし、環太平洋経済連携交渉者たちがオーストラリアだけでなく環太平洋経済連携に参加する、すべての国家の投資家国家制度を排除することを要求します。

5年前に韓国の最高裁判所は韓米自由貿易協定のための交渉中に、司法制度に対する投資家国家紛争解決制度の影響に関するブリーフィング文書を作成しました。貿易交渉は秘密裏に実行されたので、裁判所の文書そして投資家国家紛争解決制度が「深刻な法律的混乱」を引き起こす可能性があると警告したことが思い出されます。韓国政府は現在、両国による韓米自由貿易協定の批准および調印後に、この核心的な条約規定を再交渉しようとしています。

米国の交渉者たちが現在、この条項を環太平洋経済連携から排除するための活動をする場合、私たちは投資家国家紛争解決制度が北米自由貿易協定、韓米自由貿易協定(KORUS)およびその他の貿易協定で提起した問題の反復を防止できます。投資家国家紛争解決制度は極めて問題が多く、立法、行政および司法的決定を毀損し米国憲法で定められた連邦主義制度を脅かすことが明らかになりました。投資家国家紛争解決制度は州立法者として公共保健、安全および福祉を保護し、勤労者の保健および安全を保障し環境を保護する公正で非差別的な法律を制定して施行する私どもの力量と責任を妨害します。したがって環太平洋経済連携協定には投資家対国家紛争解決制度が存在してはならないでしょう。

皆さま方の配慮に感謝します。

署名:


AN OPEN LETTER FROM U.S. STATE LEGISLATORS
TO NEGOTIATORS OF THE TRANS-PACIFIC PARTNERSHIP
URGING THE REJECTION OF INVESTOR-STATE DISPUTE SETTLEMENT

As elected members of our state legislatures from throughout the United States, we value international
trade when fair rules are in place, and encourage our states to actively participate in the global economy
in furtherance of economic prosperity.

Modern trade agreements have impacts that extend significantly beyond the bounds of traditional trade
matters, such as tariffs and quotas, and can undermine the role of the states in protecting the public health,
safety and welfare through our system of federalism, as established in the U.S. Constitution. Trade rules
can limit state sovereignty and our authority as legislators to regulate to ensure a level playing field for
workers and businesses or to include meaningful human rights, labor and environmental standards.

The lack of transparency of the treaty negotiation process, and the failure of negotiators to meaningfully
consult with states on the far-reaching impact of trade agreements on state and local laws, even when
binding on our states, is of grave concern to us.

We have a particular concern about the impact on state regulatory, legal, and judicial authority if the
Investor-State dispute arbitration provisions are adopted as part of the Trans-Pacific Partnership (TPP)
agreement. The TPP, which is currently under negotiation among nine Pacific Rim nations including the
U.S. – and may be expanded to include NAFTA partners Canada and Mexico plus Japan -- is a wideranging
treaty that will likely have significant implications for the states.

Investor-state dispute settlement (ISDS) clauses allow foreign investors the right to sue governments
directly in offshore private investment tribunals, bypassing the courts and also allowing a "second bite" if
the investors do not like the results of domestic court decisions. Although the investor-state tribunal has
no power to nullify U.S. federal, state, and local laws, in practice, when a country loses to an investor, it
will change the offending law, or pay damages, or both. Moreover, a country need not even lose a case
for the chilling effect to impact its future policy making deliberations.

While these powers are not new, the TPP negotiation comes amidst mounting criticism of the rapid rise in
Investor-State claims, as foreign corporations use these powers to challenge core public policy decisions.
In particular, there is increasing concern about the way that investor-state disputes in bilateral investment
treaties and free trade agreements are being used to challenge domestic legal processes, including
processes and decisions of national courts. Recent examples include challenges to mining regulations and
tobacco labeling laws, including a challenge to a state jury determination under the North American Free
Trade Agreement (NAFTA).

Increasingly decisions issued under this system result in foreign investors being granted greater rights
than are provided to domestic firms and investors under the Constitutions, laws and court systems of host
countries. In several instances, arbitral tribunals have gone beyond awards of cash damages and issued
injunctive relief that creates severe conflicts of law. For instance, a recent order by a tribunal in the case
brought by Chevron against Ecuador under a U.S.-Ecuador bilateral investment treaty ordered the
executive branch of that country to suspend the enforcement of an appellate court ruling, violating its
constitutional separation of powers.

State legislators in the U.S. have adopted a clear position opposing Investor-State dispute settlement
clauses in trade agreements. The National Conference of State Legislators (NCSL), which represents all
50 states and the District of Columbia, has adopted the following policy with respect to ISDS:

NCSL will not support Bilateral Investment Treaties (BITs) or Free Trade Agreements (FTAs) with
investment chapters that provide greater substantive or procedural rights to foreign companies than U.S.
companies enjoy under the U.S. Constitution. Specifically, NCSL will not support any BIT or FTA that
provides for investor/state dispute resolution. NCSL firmly believes that when a state adopts a nondiscriminatory
law or regulation intended to serve a public purpose, it shall not constitute a violation of
an investment agreement or treaty, even if the change in the legal environment thwarts the foreign
investors’ previous expectations.

NCSL believes that BIT and FTA implementing legislation must include provisions that deny any private
action in U.S. courts or before international dispute resolution panels to enforce international trade or
investment agreements. Implementing legislation must also include provisions stating that neither the
decisions of international dispute resolution panels nor international trade and investment agreements
themselves are binding on the states as a matter of U.S. law.1

We strongly endorse this position, and urge the U.S Trade Representative to remove any Investor-State
dispute settlement clause from further consideration for inclusion in the TPP.

We are encouraged that the Government of Australia has said it is unwilling to submit to Investor-State
dispute settlement powers under a TPP and other future trade agreements, and we urge the TPP
negotiators to exclude the Investor-State system for all countries participating in the TPP, not just
Australia.
Five years ago, the South Korea Supreme Court wrote a briefing paper on the implications of ISDS on its
judicial system, during negotiations for the Korea-U.S. free trade agreement. Because these trade
negotiations were conducted in secret, the Court’s document, and the fact that it cautioned that the ISDS
could cause "extreme legal chaos," has just come to light. The Korean government now seeks to
renegotiate this key treaty provision after ratification and signing of the KORUS free trade agreement by
both countries.

We have an opportunity to prevent a repeat of the problems ISDS has created in NAFTA, KORUS and
other trade agreements if U.S negotiators act now to exclude this provision from the TPP. The ISDS has
proven to be extremely problematic, undermining legislative, administrative, and judicial decisions, and
threatening the system of federalism established in the U.S. Constitution. It interferes with our capacity
and responsibility as state legislators to enact and enforce fair, nondiscriminatory rules that protect the
public health, safety and welfare, assure worker health and safety, and protect the environment. It should
have no place in the Trans-Pacific Partnership.

Thank you for your consideration.

Signed:

Dated: July 5, 2012
                                                                     
1 http://www.ncsl.org/state-federal-committees/sclaborecon/free-trade-and-federalism.aspx, NCSL Labor and
Economic Development Committee – Policy on Free Trade and Federalism (expires August 2013)



投資家対国家 紛争解決手続
国内法律機関等の検討


外交通商統一委員会  
国会議員      朴チュソン

光州東区 光州広域市東区(トング)鶴洞(ハクトン)44-4番地3階
TEL062-227-8115~7 FAX062-227-8115
国会   ソウル市永登浦区(ヨンドゥンポグ)議事堂大路(ウィサダンテロ)1
国会議員会館768号 TEL02-784-5288 FAX02-788-2014
  
  (翻訳:李洋秀/法律校正:岩月浩二)
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